今回は多摩湖線の割と有名なクハ1121を作ったのでその制作記です。実はこれ2ヶ月くらい前に製作開始してたんですが途中大事故が起きたりして完成が遅くなりました。無事形になったのでよければ。
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ベースはkitcheNの「多摩湖の1122」。
こんな感じ。屋根曲げ済みです。ところがどっこい!なんとプレスがずれてるではありませんか!
曲げラインがどう見ても傾いています。そのせいで前後左右で屋根の高さや角度が違うという・・・・最大で1.2ミリほどの誤差がありました。1.2ミリって言っても実車じゃ20センチくらいのとんでもない誤差です。
流石にこれじゃだめなんでなんとかしないといけないのですが勿論そんな道具持ってないし、不良品として交換してもらおうかとも考えたんですが既に組み立て始めてるので手遅れ。困ったもんだ。
そして結局・・・
ハンマーでボコスカして屋根のRを調整することにしました。まるで板金。
これのせいでいろんなとこが歪みましたがひとまず屋根のRだけはマシになりました。
さて他にも問題はあります。まず台車。実車はTR14を小さくしたような台車を履いてるんですが、それがかなり小さく、これといって使えそうなものがない。
色々探した結果IORI工房の明治22年式客車用台車がいちばんイメージ的に近いイコライザー台車だったのでこれを使うことにしました。
なかなかスタイルのいい台車です。イコライザーとか台車枠とか色々と違いますがこれで妥協といったとこです。仕方ないね。
ちなみに叩き直してる途中に正面から撮ったやつ。けっこう傾いてる気がしますね・・・。
屋根をボコスカしたことで生じた各部の盛大な歪みを修理して組み立てます。
隅のRをつけます。雨樋がモールド表現なのであんまり削りすぎると縦樋も削れちゃいます。なんで、ほどほどに。
そして作業も順調に進み・・・
はい、順調に進むと思ってました。
ここで大事故発生。
なんと、オデコの整形中にヤスリが滑って前面に!
結果、窓柱2本を完全に破壊、雨樋も一部を削り飛ばし内貼まで歪ませる始末。
ショックすぎて写真は撮ってません。
で、最終的にどうなったかというと。
もう1箱買うしかないかなーとか、途方に暮れたまま結局1ヶ月近く放置してたのですが・・・ありがたいことにkitcheNさんに相談した結果大破させた前面パーツのみ分売してもらって、事なきを得ました。
さっそく貼ります。左はさっきの記事で書いたモハ101です。
これにてようやく製作再開ですね。内張も歪ませてしまった跡があり窓枠がどうしてもちょっと曲がってしまったんですが、これ以上修復できませんでした。
まあ、ほどほどにしてさくっと仕上げてゆきます。
サフを吹いたり何回か調整し、パーツをつけてやっと形が見えてきました・・・。
ベンチレーターは、小型ガラベンなのですが、これがまったくパーツがなく、また壁にぶち当たってしまったんですが、結局4月に作ったキングスの日車標準型の小型ベンチレーターを借りることにしました。ただ部品取りにはしたくないのでこっちには別途、普通のガラベンをつけました。
また、テールライトは高いボナ製のテールライト、ヘッドライトは3Dプリントのものを使いました。
ちなみに最初はベンチレーターを小型半ガラベンを2つつけて小型ガラベンを錬成しようとしたのですがその途中ピンセットで瞬間接着剤つきのガラベンを飛ばしてしまい、それが運悪く左目に入り、目がー目がーとご想像にお任せしますなことになってしまい、結局翌日病院に行き取り除いてもらう事態に。眼科で検査してもらったのですが左目の下半分の表面が傷だらけになってしまっていて・・・
そしてまだそこそこ痛いです。
皆さんはこんなことにならないようにしましょう。
床板や連結器、床下機器の類は適当にジャンク箱の中から選んで床板を切り継いだり削ったり。
こんなもんで生地完成ってとこか。
さて塗装です。今日ですね。
眼科に行ったあと塗装しようと思ってたんですがなんと大雨!
なので、乾燥にかなりの時間がかかるのを見越して朝、眼科に行く前に先にプライマー→黄かん色だけ吹いておきました。黄かん色はなかなか乾きにくい色な印象で、雨の日なら尚更ですね。
でも流石に2時間も放置したらだいたい乾いてくれていて、帰ってすぐマスキングに取り掛かれました。
塗り分けはだいたい上手くいった様子。
懸念していたドア部分もあんまり問題なさそうですね。さて、ここからクリアを吹くのですが・・・
クリアを吹いた様子ですが、すっごく微妙。
前面はまだマシな感じでよかったです。
なんか、細かくザラザラしてしまった印象。雨の日にやったせいですかね?でも、毎回クリアはうまく行きません・・・今後の改善点です。
ま、ちゃっちゃか屋根塗って部品つけて、
完成!いろいろありましたがちゃんとクハ1121になってくれたと思います。
なかなか気に入ってます。1両単体で見るとただの3扉クハなんですが・・・
なんといっても小さい。種車が小型レールカー規格の2軸ガソリンカーなので当然ですが、面白いスタイルです。
実車は、おもに朝ラッシュ時に101形編成のクハ側に増結されて運用されたようです。
下の写真は左からモハ101、クハ1111、クハ1121、クハ1201。
1958年に1121、1122の2両が改造され、クハ1121はラッシュ時にクハ1201とともに増結用に使われることになったのですが、2両編成が3両になっても所詮は12〜14m級の小型車。3両繋げてもその輸送力は20m車2両編成にすら及ばず、また、101形の足回りは路面電車そのものであるため3両も繋げたら最高速度は40キロも出ず、結局1961年に最後まで600vで残っていた国分寺〜萩山間が昇圧されたことにより、これら小型車は早々に引退しました。
クハ1121は、改造から3年で早々にお役御免になりましたが、幸いにも多摩湖線600v車はクハ1201を除き全車が各地の地方私鉄に再就職することになり、このクハ1121も羽後交通デハ7として1973年まで使われます。
長くなってしまいましたが今回はこんなもんで。